暮らしを彩る本へのアクセス
移住先での暮らし
御浜町での暮らしを考えるにあたり、大人はもちろん、お子さんのいる家庭にとっては特に、本の存在が重要であるという方も多いかもしれません。
実は図書館のない御浜町ですが、本を借りることのできる場所や本に触れる方法はいくつも用意されています。
御浜町で本を探すのならば、まずは御浜町中央公民館の中にある中央公民館図書室へ。約1万冊の蔵書があり、絵本、小説、郷土資料などなどジャンルも豊富です。
2021年度には新たに司書さんが着任され、図書室の雰囲気も大きく変わり、利用者数や貸出数も大幅に増えているのだとか。
毎月70〜80冊ほど新しい本が追加され、本の入れ替えもどんどん行われています。新しく入った本とても人気で、小説や絵本などを中心にたくさん借りられているそうです。今回の取材中にもお子さん連れが何組も訪れていました。
規模としては決して大きくはない図書室ですが、本の一冊一冊に目がいくようにと、愛情を持って本が並べられていることがとてもよくわかる、アットホームで温かい空間です。
中央公民館のフリースペースには大きな机や椅子が置かれ、絵本も陳列されています。七里御浜と海を横目に、広々とした空間でゆったり本を読むのもおすすめです。
毎月の新刊情報は御浜町のウェブサイトに書影付きでとても見やすく掲載されていますし、御浜中央公民館のInstagramでは、本の紹介やイベントのお知らせなどもされています。
月に一度「おはなしの会」も開催されており、どなたでも参加可能。季節に合わせた絵本の読み聞かせなど、親子で楽しめる内容が好評です。
本のリクエストなども受け付けてくれますし、中央公民館図書室にない本の取り寄せも行っていますので、まずはぜひ足を運んでみてください。
御浜町立中央公民館図書室
尾呂志地区にある御浜町立尾呂志学園小学校・中学校でも、学校図書館が所有する本を地域住民に貸し出しています。コミュニティスクールということもあり、地域との関わりも深く、開かれた学校なのです。
小中あわせて約9,000冊程の蔵書があり、絵本、児童文学、小説、漫画など種類も豊富。地域住民の利用もあることから、大人向けの書籍も並んでいます。
本のリクエストも受け付けているそうで、一般の方にもどんどん利用してほしいとのこと。
同じ御浜町内でも海沿いの地域とはまた違った雰囲気の、山あいにある尾呂志学園。広い校庭では年齢に関係なく集まった子どもたちが遊び、木造の校舎も公立と聞いて驚くほどの設備です。のびのびとした雰囲気で教育を受けさせたい、と学区外からの通学も多い学校です。
御浜町立尾呂志学園 図書館
尾呂志学園からすぐの場所にあるのが、一般社団法人ここテラスが運営する「御浜ローカルラボ」。現在休園中の尾呂志保育所の建物を改装した施設の中には、100冊を超える絵本が揃えられており、同施設内にある「御浜町移住・交流サポートデスク」や「Cafeつなぐ」、「Mikan Hotel」などの利用の際はもちろん、どなたでも利用できるように開放されています。
絵本の選書は、全国的にも有名な三重県四日市市の絵本専門店「メリーゴーランド」に依頼したのだとか。長く読み継がれる定番の絵本を中心にした流石のラインナップで、子どもたちに是非読んでほしい素晴らしい絵本が揃っています。
「御浜町移住・交流サポートデスク」で移住の相談中にお子さんが絵本を読んだり、その後実際に移住をされて、今度は近隣住民として利用したりということもあるのだそうです。
今後は漫画や児童書などの設置や、絵本をさらに増やす計画もあるようで益々楽しみです。
御浜ローカルラボ 絵本スペース
国道42号線沿いにある 道の駅 パーク七里御浜 ピネ 3階にあるのが「ピネ まちかど子ども文庫」です。図書館のない御浜町で図書室の充実を目指そうと、子どもと本に関心のある方たちが集まってつくったスペースで、いつでも誰でも本を借りることができます。
ここに集まっている本は全て寄付されたもので、読み終えた本の寄付も随時受け付けています。
毎月第3土曜日にはお話し会「ソラーレ」が開催されています。まちかど子ども文庫のメンバーや、紀南高校の生徒たちが、絵本の読み聞かせ紙芝居、工作体験なども実施しています。
ピネ まちかど子ども文庫
御浜町内でも本に触れることのできる場所はいくつもありますが、町外の比較的大きな図書館を利用することもできます。
御浜町の隣にある熊野市立図書館は、御浜町から車で約20分。蔵書数は約19万冊あり、絵本や児童書のラインナップも豊富です。熊野市駅からすぐの熊野市文化交流センター内にあるので、公共交通機関で訪問することもできます。
県をまたいだ和歌山県新宮市の新宮市立図書館も、御浜町から車で約20分。蔵書数は約11万冊で、2021年度にできたばかりの丹鶴ホール4階にあり、ガラス張りの窓から熊野川が見下ろせる素敵なロケーションです。
御浜町では、地域の小学校で定期的に読み聞かせを行ったり、学校図書や図書室の予算を増やすなどの行政としての取り組みに加え、地域の有志による活動も活発です。読書を大切に思う町の雰囲気もまた、御浜町の魅力のひとつではないでしょうか。
都会も良いけど、自然豊かな田舎暮らしもいいかも。御浜町に移住するって、どんなだろう。気になった方は、こちらから。
(2022年11月取材 23年3月更新文・本沢結香)
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