ひとつ屋根の下で、御浜が一つになる。熱い熱い、夏の1日
移住先での暮らし
2023年7月8日。
コロナ禍を経て、実に4年ぶりの復活となった「第21回・御浜ビアガーデン」が開催されました。
会場となるのは、御浜町・下市木地区にあるJAの選果場。
「年中みかんのとれるまち」らしく、みかんを入れるコンテナをテーブルや椅子として使用。20年以上も続いてきた「御浜ビアガーデン」は、今や御浜町の夏の風物詩となり、大人も子どもも、多くの人が楽しみにしている“夏の熱い一大イベント”だ。
御浜ビアガーデン開催5週間前。実行委員会の会議に集まってきたのは、地元の青年団のメンバーたち。御浜町には、「阿田和交流会(阿田和地区)」「市會(市木地区)」「思志會(志原地区)」という三つの団体があり、地区の垣根を越えて実行委員を協業し、ビアガーデンを運営している。
「4年ぶりの開催ということもあって、スタッフの確保は非常に大変でした。熱い思いを持っている子たちはいるのですが、それぞれ環境や心境の変化もあったりして。開催するにあたって、最初は本当に色々と悩みました」
そう語るのは、この年の実行委員長を務めた奥地孝弘さん。
「御浜町こんなんもあるんやな、盛り上がってるんやな、っていうのを見せていきたいし、なんとか残していきたいんです」
遡ること25年程前に始まったこのイベント。当初は数人が集まってビールやたこ焼きを売る小さなイベントだったそう。
それが徐々に成長し、今では2,000〜3,000人もの人達が来場。町内だけでなく近隣市町からも人がたくさん集まる、町を代表する一大イベントになっている。
青年団を中心とした実行委員に、たくさんのボランティア。お揃いの黄色いTシャツを着た、約100名のスタッフが会場を仕切ります。
広い会場には、人、人、人。コロナ禍により、約3年に渡って様々なイベントやお祭りが中止に追い込まれた。子供も大人もおじいちゃんぼおばあちゃんも、そしてスタッフも、みんなが待ちに待った開催だった。
ずらっと並んだみかんのコンテナの周りには、ビールはもちろん、様々な手づくりの屋台や露店が並ぶ。たこ焼き、焼き鳥、ポテトなど、ビールに合う食べ物はもちろん、クレープやかき氷などの出店もあり、子どもたちも楽しめる。「ビアガーデン」という名前ではあるものの、夏祭りのような雰囲気だ。
トラックを利用した舞台が正面に据えられ、地域で活躍する和太鼓のグループやダンスグループがパフォーマンスを披露したり、子ども向けの○×クイズ大会、豪華景品があたる抽選会などが行われ、盛り上がりをみせた。
笑顔で乾杯する大人たち、はしゃぐ子どもたち。どこを見渡しても「楽しい」や「嬉しい」が溢れている。
実行委員長の奥地さんは、
「今回このイベントが開催できるということで、みんなから『期待してるよ』って声かけてもらいました。何より、地元の子どもたちに『今年はビアガーデンあるよ』って言うと、もう本当に、やった、嬉しいねって、すごく喜んでくれて。やっぱりやってよかったなって。一生懸命やった甲斐があったなって」
「僕もビアガーデンに参加するようになって、13回目ぐらいになるんですかね。当日はスタッフとして仕事はしてるんですけど、仕事しながらでもお酒を飲んで、地元の人たちとコミュニケーションとってっていうのが楽しくて。地元だけじゃなくて隣の熊野市とか紀宝町とか、新宮市、尾鷲市からもお客さんが来てくれて。その雰囲気が好きで、だから来年も頑張ろうっていう気持ちでやってきて、気づいたら実行委員長っていう立場になっていました」と笑顔をこぼした。
年に一度、みんなが集まる場所。
いつものメンバーだったり、久しぶりに見る顔だったり、新しい出会いが生まれたり。「御浜町最大のイベント」は、地元コミュニティの結びつきを強めたり、再接続するような、そんな場にもなっているようだった。
「スタッフもお客さんもみんな楽しい。そんな楽しいイベントを、次の世代のためにも続けてあげたいし、残してあげたい」
参加した多くの人たちが、奥地さんのこの思いを共有しているのではないだろうか。次の開催も、今からとても楽しみだ。
熱気感じるビアガーデンの物語を、動画でもお楽しみください。
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