令和の新たな桜の名所に。一人静かに咲き誇る山桜の姿
日本人にとって、春といえば「桜」ですよね。桜と言っても、色々な種類があります。早咲きの代表格は「河津桜」。一番有名な「ソメイヨシノ」は、京都や東京など全国的に3月下旬〜4月上旬、東北では4月下旬〜5月上旬に見頃を迎えます。そして遅咲きの「八重桜」など、日本には100種類以上の桜があると言われています。日本中に桜の名所があり、お花見を楽しむことは、日本人のDNAに刻み込まれていると言っても過言ではありません。− 紀伊半島、熊野この地で咲く山桜に「クマノザクラ」と名が付いたのは、2018年のこと。那智勝浦町で発見された桜が、研究の結果 “野生の新種” であることが発表され、1915年の「オオシマザクラ」以来、実に103年ぶりの新種発見となったのです。私たちの慣れ親しんでいるソメイヨシノなど、多くの桜の品種は人工的に生み出されており、野生の桜は日本全国で約10種しかなく、希少性がとても高い桜なのです。
クマノザクラは一般的な山桜より早く咲くことから、地元の人には「熊野の山桜は二度咲く」と言われてきました。例年3月10日頃から開花を始め、15日〜25日頃に見頃を迎えます。全国的な桜のシーズンより、少し早いのが特徴です。中でも、御浜町上市木の山中にあるこの桜が、実は三重県で1番最初に咲くクマノザクラ、ということはあまり知られていません。
( 山間部にあり直接見るのは難しいので、動画でお楽しみください)
クマノザクラは、熊野らしい急峻な山肌や比較的痩せた土地で見られ、一本桜が多いことが特徴です。群生しているわけではないので、“いわゆる花見” の名所というわけにはいきませんが、一人静かに、力強く根を張り咲き誇る姿はとても美しく、心を打たれること間違いなしです。
御浜町でクマノザクラを楽しみたい方におすすめのスポットが、「上野のクマノザクラ」。山間部の尾呂志・上野のさぎりの里からアクセスできます(駐車場あり)。車でも行けますが、舗装された歩きやすい道なので、10分のお散歩を楽しんでみてはいかがでしょうか。
条件が揃えば、「風伝おろし」とクマノザクラを一緒に楽しむこともできるかも。
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上野のクマノザクラを楽しんだら、さぎり茶屋でランチ → さぎりの里で大人気のよもぎ餅を買って東屋で一服、というコースがおすすめ。
近隣では、尾呂志から車で10分、隣の熊野市紀和町にもクマノザクラのスポットがいくつかあります。また、熊野三山の一つである熊野本宮大社からは車で40分で来られますので、少し足を伸ばして、クマノザクラを見にきてはいかがでしょうか。ちなみに尾呂志地区には、2時間で歩ける世界遺産(紀伊山地の霊場と参詣道) 「熊野古道 風伝峠」もありますよ。
道の駅パーク七里御浜から約10分、寺谷総合公園にて、2024年3月16日、クマノザクラの植樹祭が行われました。
今回は4〜5年生の苗木を150本植え、今後350本、合わせて500本が植樹される予定です。
樹木医の中村さんによると「クマノザクラの中でも、厳選したきれいな花のクマノザクラを接木して育てた苗木たちです。今から5年後には立派に育ち、見応えのある姿になる」とのこと。
みかんと同様、やせた御浜町の土壌がクマノザクラに合っているそうで、少ない栄養でも育つのがクマノザクラの特徴だという。儚くも力強い姿は、そういった理由からきていたのでした。
クマノザクラの植樹は、岡田文化財団の「三重県 さくらプロジェクト」の協力により、500本ものクマノザクラを寄付いただいたもので、今後寺谷総合公園を「クマノザクラの名所」にしていく予定です。
寺谷公園のアクセスはこちら↓
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