風に乗った霧が滝のように山の斜面を流れ落ちる、神秘的な現象。
御浜町の秋から春にかけての風物詩・風伝おろし。山の向こうで発生した霧が風によって山の谷間の風伝峠を越え、塊のまま山肌を流れ落ちる現象です。霧の塊がまるで生きているかのようにダイナミックに動く様子は壮観です。
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風伝峠は周囲の山より標高が低く、谷間となっているため、その名の通り風の通り道に。向こうの山で発生した霧は風に押されてこの峠を越えていきます。
風伝峠は熊野古道・伊勢路の本宮道の一部で、熊野本宮大社に続く道です。また、この道は熊野古道であると同時に、昔の人々の生活道でもありました。今でも道の傍らに当時の面影を垣間見ることができます。
熊野古道・風伝峠についてはこちら→
風伝おろしは、山間部の尾呂志(おろし)地区で見ることができます。風伝おろしは10月から3月にかけて、特に日中と夜間の気温の差が大きかった日の翌朝に発生しやすいと言われています。日中に温められた山肌が夜間に冷やされ、風伝おろしの元となる朝霧が発生しやすいのです。この霧が山を越える高さまで発達し、そこに尾呂志側へ風が吹くと、風伝おろしが発生します。
風伝おろしは季節の変わり目に発生しやすいため、地元の人は風伝おろしを通して季節の移り変わりを感じ取っています。また、昔の七里御浜の漁師たちはこの風伝おろしからその日の天気を予測していたと言われています。風伝おろしが見られるかは運も大きいですが、天気予報などからある程度は予測可能です。こちらのサイトからは、風伝おろしが見られる場所のライブカメラ映像を見ることができます。
この神秘的な現象を見にぜひ御浜町・尾呂志地区を訪れてみてください。
◆風伝おろしビューポイントMAP
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