私はみかん農家になる!三重県御浜町へ移住した研修生コラム12
みかん農家研修
まだ肌寒い日はあるものの、徐々に暖かい日が増えてきて、春の準備が始まったなと感じる日々。
草や花、みかんの新芽も動き始めました。みかんの木々たちも、冬の眠りから覚めていきます。つまり、これからどんどん畑仕事が増えていくということ!
冬も終盤を迎え、3月上旬から少しずつ暖かくなってきて、春らしい陽気に。
みかんの木も芽が動き出し、活動がはじまりました。このタイミングで、肥料の散布や防除作業をし、今年もおいしいみかんを作るための準備を行います。
研修前半に何度も経験した作業なのですが、冬の間は収穫や剪定作業ばかりだったので、久しぶりの作業でした。
畑を見渡すと、気温が高い日もあって、雑草が伸びていたり、野花が咲いているのを見て、「あぁ、春だな」と春が近づいているのを実感しました。つまりは、これから草との戦いがまた始まるのですが…。苦笑
オレンジアグリでは、1年生の苗木を2年生に育て、それを販売をしています。その苗木を農家さんへ引き渡す機会が、3月上旬にありました。
大苗施設にはたくさんの種類の苗木があり、温州みかんからマイヤーレモン、さまざまな中晩柑の苗木が用意されています。
各農家さんが大苗施設に注文分を受け取りに来られるので、私たちは軽トラにどんどん乗せていきます。3~5本注文している方や、200本以上注文している農家さんもおられ、数が多い方は何度も往復し、軽トラに乗せていきます。
みなさん、お気づきですか?苗木の入っている鉢の重さは約20キロ。
この仕事は「地獄の大苗」と言われるほど大変な作業。お客さんが並ぶこともあり、早く軽トラに積まないと後ろが詰まるため、みかんの品種を聞いたら一目散にその苗を探しに走ります。一休みする間もなく次々に乗せていかないといけない・・・。本当に、腕が悲鳴をあげていました。へたすると1年の研修で一番過酷だったかもしれません・・・。
手に豆ができたり、何度も何度も運ぶので手が震えてきたり。次の日は全身筋肉痛で体をうまく動かせなかったりと、回復するのにだーいぶ時間が掛かりました。。。
おかげでどの作業よりも、筋肉と体力がついた気がします。
2日間でなんと約4,000鉢以上もの引き渡しが終了し、研修の大イベントが終了したことに、ホッと一息つきました。
独立にあたり、研修先が管理していた「極早生温州みかん」の畑を借りることになりました。まずは4反のサイズを、自分で管理していきます。
3月に入り暖かくなってきたので、肥料散布や防除を自分ひとりで行いました。
研修期間中は何人かで作業することがほとんど。今回の作業は有難いことに手伝ってくれた方がいたのですが、これからは基本的に一人で畑を管理していかないといけないので、少し寂しさや不安を感じました。一方で、自分一人でやっていくんだという、ワクワクする自分もいました。
自分の畑が決まってからは、研修終わりに畑を見に行くのが日課になりました。芽の成長を確認したり、小さな枯れ枝がある木を剪定したり。その度に、小さな作業であっても、一人では時間が掛ることを実感しました。
ただ、自分の畑・自分の木と思うと、より愛おしく感じてくるものですね。時間を忘れて、夢中になって作業ができました。
新規就農のための研修は、本当に「あっ」という間に終わりました。
正直なところ、始める前は「病むんじゃないか…」と半分本気で思っていました。ところが、ほぼ毎日早起きして、太陽に当たり続けた結果、健康になりました。笑次の日早いから、夜更かししない生活になり、お日様を浴びると幸せホルモンが出るって言いますが、本当にその通り?健康的な生活を送ったのでした。
女性ということで、体力的に心配もしていましたが、もちろん男性と同じようには動けなかったものの、意外に自分でも大丈夫でした。
研修の1年間を通して、御浜町でみかんの栽培・育成について学び、みかんのおいしさを再確認することが出来たことで、研修を始める前よりも、もっとずっとみかんに惹かれるようになりました。また、たくさんの出会いがありました。役場の農林水産課の方々をはじめ、研修先やバイト先のみなさん、気にかけてくれる近所の方など、御浜町の人は温かいなと思うことばかりで、たくさんの方に支えていただきました。
移住する前にあった気持ち、走りながらも感じていた、不安なこと、心配なこと、寂しさ、色々な感情。1年間乗り越えられたのは、御浜町だったから。ここだから無事に1年の研修期間を終えることが出来たんだと思います。
とにかく走り続けた、忙しい1年ではありましたが、自分の人生の中で、とても充実した1年になりました。
いよいよ、これから独立して就農します。
分からないこともまだまだたくさんありますが、研修を終えても聞きにいける人たちがたくさんいます。自分の畑を巡回で見にきてくれる制度も始まるそうなので、緊張しますが、サポート体制のあることに、ほっとしています。
忙しい1年になると思いますが、これからはお世話になった方々に恩返しをしたいなと思います。一歩ずつですが、みかん農家になれるよう頑張っていきたいと思います。
研修を終えた4月、この3月分のコラムをまとめています。今日は施肥のタイミングがわからなくて、研修先に質問に行きました。そこにはもう今年の研修生がいて、1年前の自分を思い出して懐かしくなりました。
独立してから、毎日畑に通っています。農作業の予定がなくても、毎日足を運んで、畑と木の様子を観察しています。もう、気になってしょうがないんです。
そして、研修が終わった今、「楽しくてしょうがない!!」です。まだ分からないことだらけですし、独立1ヶ月目なので呑気なことを言っていると思われても仕方ないのですが、とにかく楽しい。
移住する以前は、ショッピングモールの中にあるお店で販売の仕事をしていました。その頃は、クレーム対応があったり、人間関係に気を遣ったり、失敗したり。人が相手だと、どうしても引きずることがありました。
みかん農業は、摘果や収穫の時期など、「今これを絶対にやらなくてはいけない」という時期はもちろんあるものの、それ以外はほぼ「自由」なのです。畑と木々と対話しながら、自分で決められる。「縛られない」って、いい。農業を検討していた頃、みかんは果樹の中でも一番簡単と聞いていました。そして実際楽なんだと思いますが、もちろん農業・一次産業ですから、重たい・汚い・大変、そういうことはたくさんあります。で
も、外に出るのが好きな人なら、大丈夫だと思います。私ができたのだから、誰でもできる!(言い過ぎ?!)サポートしてくれる人達がちゃんといるから、ここでなら、みかん出来ますよ(まだ研修1年ですけど、私でも出来たんだから)。
12ヶ月間の研修コラムを読んでいただき、ありがとうございました^^
◆肥料散布
◆苗木の雑草引き
◆大苗引き渡し
◆防除
◆カラマンダリン収穫
◆カラマンダリン収穫苗木の草引き
◆来年の苗木の販売準備(来年の注文分の苗木を育てるため、ポットに1年生苗を植え替え、2年生を育成する準備を)
三重県御浜町では、みかん産地を持続可能なものとするために様々な取り組みを行なっており、新規就農希望者へのサポートも注力しています。希望内容・移住時期など、お一人おひとりの状況に合わせた対応を行なっております。
御浜町でのみかん就農について、詳しくはこちらをご覧ください↓
農業をはじめる | 新規就農研修 1月/2月〜みかん農家になる!三重県御浜町へ移住した研修生コラム〜はこちらから↓
御浜町のみかん
みかんに適した風土と奇跡のみかんを生み出す産地、御浜町
みかん農家になる!三重県御浜町へ移住した研修生コラム①
みかんコラム
美味しい柑橘を育てるポイントや流れをご紹介!