聖地・熊野をゆったり巡る1泊2日のガイド付きプライベートツアー
このツアーでは、里山の暮らしを体験しながら、ユネスコ世界遺産である熊野古道、日本の渚百選の七里御浜、棚田百選の丸山千枚田など、熊野の絶景もお楽しみいただけます。熊野の雄大な自然と共生する人々の暮らしを五感で感じ、あなたの心と体をリトリートする旅へ出かけてみませんか?
2004年7月、熊野古道は「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部で、日本で初めて「道」としてユネスコ世界遺産に登録されました。
高野山や吉野・大峯といった霊場とともに、人々の信仰と暮らしが長い年月をかけて生み出した独自の文化的な景観が、高く評価されています。
その道の一つである「熊野古道 伊勢路」は、三重県と和歌山県をまたぎ、伊勢神宮と熊野三山(和歌山県田辺市の熊野本宮大社・新宮市の熊野速玉大社・那智勝浦町の熊野那智大社)という日本を代表する二大聖地を結ぶ巡礼の道です。
熊野古道は、近年、海外からの旅行者に人気の道ですが、これらの道は、古来より、人々が魂の再生を願い歩いたことから「甦りの道」とも呼ばれる道でもありました。
古の巡礼者たちが感じた「甦り」とは、自分自身を見つめ直すこと、つまりは「内省」を通じて「新たな自分」へ生まれ変わることだったのかもしれません。その体験は、現代を生きる私たちにも大きな気づきを与えてくれるはず。
今回のプライベートツアーでは、ユネスコ世界遺産の熊野古道伊勢路を歩きながら、「日本の渚百選」に選ばれた七里御浜の美しい海岸線、そして「日本の棚田百選」にも数えられる丸山千枚田の、昔ながらの美しい風景、自然と共に生きる熊野の里山の暮らしを心ゆくまでお楽しみいただけます。
里山に息づく暮らしの調べに耳を澄まし、自然の懐に抱かれ、紡がれてきた歴史、古き伝統に触れ、そしてあなた自身の魂と、再び巡り会うための道となるのです。
あなたもこの旅を通して、「新たな自分」を発見してみませんか。
旅のはじまりは、熊野古道伊勢路・本宮道沿いにある原地神社から。地元の人々に古くから大切にされてきたこの神社は、自然と共に生きる熊野の信仰を感じられる場所です。
原地神社の御祭神は、伊勢神宮の御祭神でもある「天照皇大神(てんしょうこうたいしん)」、幅広い御神徳を持つとされ、日本で最も多く祀られていると言われる「八幡大神(はちまんおおかみ)」、さらには、米どころである神木の人々の暮らしと密接に関わる、伊勢神宮の外宮(豊受大神宮)の主祭神でもある、食物や穀物を司る女神「豊受姫尊(とようけひめのみこと)」、五穀豊穣を祈願する「稲荷大神(いなりのおおかみ)」が祀られ、この神社と伊勢神宮との深いつながり、熊野の地が「自然に深い畏敬の念を持つ地」であることを物語っています。
境内に一歩足を踏み入れると、世代を超えて守られてきた巨大な御神木が訪れる人を迎えます。その御神木にも手を合わせ、熊野ならではの自然信仰や八百万の神々への祈りを体感してみましょう。
聖地と呼ばれる熊野を巡る旅の出発点にふさわしい場所です。
原地神社を参拝したあとは、熊野灘に面して約22kmも続く日本最長の砂礫海岸であり、日本の渚百選にも選ばれた七里御浜(しちりみはま)海岸へ。ここは熊野古道 伊勢路「浜街道」でもあります。
七里御浜は、古来より仏教の「海の果てにある聖地=補陀落浄土」信仰とも結びついてきました。熊野灘を望む雄大な海岸で神道と仏教の信仰が顔合わせた、まさに神仏習合の交差点といえる場所です。
靴を脱いで、「御浜小石」とも呼ばれる玉砂利の浜に腰を下ろし、波音に耳を澄ませてみる。海風を香り、打ち寄せる波のリズムに身を委ね、目を閉じると、自然との調和を実感する瞬間が訪れます。
果てしなく続く海を眼前に、自身と自心に向き合う「内省」の時間。
宿へ移動する前に立ち寄るこのお店は、地元の人に愛される、家族経営の中道酒店。地域の人たちが日常的に集う場所で、旅行者にとっては地元のリアルな暮らしに触れられる場所です。
店主との会話を楽しんだり、おすすめの地元の旬の食材を購入出来るのも旅の醍醐味。この土地ならではの食文化に触れてみてください。
今夜の宿「尾呂志庵」へ。豊かな自然に囲まれたこの宿では、熊野の里山ライフを満喫することができます。
この宿のオーナーである松井さんは、無農薬のお米を育て、梅干し、味噌など多くの発酵食品を手塩にかけて作っています。
まずはそんな彼女との会話を通して、熊野の自然と共に生きる里山の暮らしの魅力を聞いてみましょう。
その後は、薪割りから始まる松井さんの暮らしを体験。薪を使って釜戸でご飯炊き、五右衛門風呂を沸かすといった、手間を楽しむスローライフを存分に味わいます。
釜戸に薪をくべ、パチパチパチとお米が炊き上がる音、その香り、ゆらゆらと揺れる炎が心を落ち着かせてくれるでしょう。
夕食は、囲炉裏を囲んで味わう熊野の海・山・川の幸、そして薪の香りが広がる炊きたてご飯は、ここでしか味わえない特別な一杯に。
夜には満天の星空を見上げ、静かな里山で心が少しずつ解きほぐされていきます。
2日目の朝は朝食作りから。松井さんと一緒に、熊野の郷土料理「めはり寿司」作りを体験。
日本古来の発酵食品である漬物(高菜漬け)を使う「めはり寿司作り」では、地元の食文化をおいしく体験することができます。
朝食の後は、いよいよ熊野古道ガイドと共に熊野古道伊勢路「風伝峠」と「通り峠」へ向かいます。
風伝峠へ向かう道すがら、運が良ければ、山間から朝霧が滝のように流れ込む幻想的な光景「風伝おろし」に出会えます。まるで龍のように空を駆けるその姿に自然の偉大さを感じずにはいられないでしょう。
深い山中に築かれた石畳の道は、何百年もの歴史を刻む熊野古道の道しるべ。
急峻な山道に人々がひとつひとつ敷き詰めた石畳が自然と見事に調和する姿は、先人たちの労力と厚い信仰心を物語ると同時に、苔むした一枚一枚の石畳が悠久の時の流れを教えてくれます。
この道を歩いていると、柔らかい木漏れ日、熊野の深い森とその香り、自然が奏でる音があなた自身を包み込みこんでくれているような感覚になり、母体の中にいるような心地よい安らぎを感じることができます。
道中、江戸時代からこの場所にあったとされる伊勢路唯一の峠の茶屋「いきる茶店」で、名物の風伝おはぎをいただき休憩します。
休憩後に向かう次の峠、「通り峠」からは、日本の棚田百選にも選ばれている「丸山千枚田」を一望できます。急峻な山肌に広がる千枚を超える棚田は、先人たちの知恵、そして自然と共生する術を今に伝えています。
四季折々に異なる表情を見せる棚田の風景を眺めながら、人と自然が共生してきた歴史の遺産と、それを大切に守ってきた人々の思いを肌で感じる。
棚田を見ながら、昼食休憩。メニューは、ベジタリアンにも嬉しい「大豆ミートの唐揚げと酵素玄米のおむすびセット」。
そして酵素玄米おむすびとともにいただくのは、地元・尾呂志産のアッサム茶です。「熊野古道で紅茶?」と思われるかもしれませんが、実は、このアッサム茶は地域で大切に受け継がれてきた歴史が詰まっています。その物語はガイドからのお楽しみ。
熊野古道を歩いた後は、約700年前に開湯したと伝えられる「湯ノ口温泉」へ。古の巡礼者たちも、私たちと同じように温泉で旅の疲れを癒やしたのかもしれません。
最後は、何も考えずに湯に浸かり、地球が生み出したエネルギーを全身で感じてみてください。そうして、心身はリセットされ、旅は美しい余韻とともに締めくくられるでしょう。
(掲載情報は2025年9月時点のものです)
▼海の参詣道のある七里御浜の様子を動画でぜひご覧ください
▼尾呂志庵での体験
▼めはり寿司作り体験
▼熊野古道・風伝峠歩き
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Join a two-days fully guided private tour to explore the spiritual wonders of sacred Kumano
雄大な熊野の川をカヌーで巡り、日常から離れた特別な時間を過ごす
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