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「農業移住」を実現するには

農業で移住する流れと押さえておきたいポイントを紹介

就農コラム

ライフスタイルや価値観の変化により、「自然豊かなところに移住して農業で生計を立てていきたい」と農業移住を考える人が増えています。一方、都市部の人口集中や地方創生の流れから、政府や地方自治体の支援制度も充実してきており、Iターンでの移住・就農を後押ししています。

しかし、漠然と「移住して農業で生計を立てたい」と思っても、どうやったら農業で移住することができるのか分からない、という方も少なくないはず。

そこで本記事では、農業で移住する際に知っておきたいポイントについて、分かりやすく解説します。

ぜひ参考にしてみてください。

農業移住の基本ステップ

農業移住を実現するための流れは

情報収集

1.就農相談

2.農業体験に参加

3.家や農地を探す

4.移住する

というのが基本となります。それぞれのステップについて、見ていきましょう。

1. 情報収集

移住したい、と思った時にまずやりたいのが、情報を集めること。
どんなところに移住したいのか。海か山か、はたまた両方なのか。暖かい地域か、雪国か。どれくらい都会から離れるのか、近いのか。場所の選択肢は様々です。

農業については、何を育てたいのか、自分で起業するのか、移住する地域の農業法人に就職するのかなど、自分が何を目指すのかを考えながら、情報を集めましょう。

情報を集める手段としてあげられるのは、インターネットでの検索はもちろん、東京・大阪・名古屋には各市町村の移住に関するパンフレットを確認したり、自治体の担当者と話のできるブースもあります(*1)。また、オフライン・オンラインでのセミナーも開催されています。

情報を集め、自分がやりたい農業やライフスタイルを少しずつ「はっきり」させていくことで、移住先や就農の形がみえてきます。

2. 就農相談

どんなところに移住してどういう働き方をして、何を作っていくかが見えてきたら、活用したいのが「就農相談」です。就農相談というと、各自治体の窓口に足を運ぶというイメージがあるかもしれませんが、東京や大阪といった主要都市では年に数回、各都道府県や市町村がブースを設け、それぞれの地域の特徴や支援策等について話を聞くことのできる相談会が実施されています。

具体的に市町村が決まっていなくても大丈夫です。せっかく様々な自治体の担当者が集まっているのですから、気軽に色々な町の話を聞くのも手です。
具体的に気なる市町村がある場合も、現地へ行く前にまず話を直接聞くことができます。

検討段階で直接話を聞くメリットとして、オンラインの情報では収集しきれない、その町の雰囲気や移住・農業に対する姿勢を垣間見られます。
その町での生活や生活費についてはもちろん、その町でその作物で農業を始めるにはどのくらい初期投資が必要なのか。研修システムがあるのか、研修期間がどのくらいか、独立後どうなるのか。収入の目処はどうなのか。向こう数年の収入確保にどの程度の貯蓄が必要なのか。具体的なことを確認することができます。

住んでいる地域ではそういう相談会は実施されていない、という場合は、電話やメールでの相談はもちろん、オンラインでの相談会もあります。

その町の暮らしと農業における具体的な話を聞くためにも、個別相談に参加してみてください。

とにもかくにも、気になる市町村が出てきたら、まずはメールや電話で問い合わせ、話を聞いてみましょう。

3. 農業体験に参加

就農相談の後、その町への移住に興味を持ったら、農業体験に参加して、実際の生活に触れてみましょう。農業体験には、日帰り〜数日行われるものまで、様々なプログラムがあります。

農業体験に参加することで、農業について体感することができるのはもちろん、実際にその土地に訪れ、その場所の魅力を知ることができるので、まず参加してみることをおすすめします。

4. 家や農地を探す

現地へ赴き、農業体験を経て、「この町に移住したい」という決意が固まったら、いよいよ家や農地を探す段階に進みます。家に関しては、不動産会社を通して空き家を探すこともあれば、自治体によっては就農・移住相談担当者が空き家を探してくれるところもあります。まずは移住先の担当者に相談するのが一番です。

一方、農地については、農地法によって売買が規制されていましたが、2023年4月から農地法で定められている下限面積が廃止されたことにより、農地取得が容易となりました。また、数年前から始まった「農地付き空き家」の売買も、就農の促進に繋がっているとされています。

ただし、その土地での農業の始め方や、地域との関わり方はそれぞれの町で文化が異なるので、まずは自治体の担当者に相談したり、地域の人に相談してみましょう。

5. 移住する

家が決まったら、いよいよ現地へ。農業で生計を立てていくためには、自治体はもちろん、地域によってはJA、そして農家の先輩たちに相談しながら農業に取り組んでいきます。決して一人で始め、できるものではありません。コミュニケーションをとりながら、地域に馴染みながら、一歩ずつ進んでいきましょう。

農家移住を実現するには

農業移住の基本的なステップについて解説してきましたが、農業移住を実現するために押さえておきたいポイントとして

・想定外のことが起きるということを理解する

・農業において、そして地域の人と関係を築く

・支援策を活用する

ということがあげられます。
まず、農業は生き物相手であり、天気に左右されるもの。天候不良により思うように作物がならなかったり、害虫が発生したり、また獣害を受けるということもす。農業では想定外のことが起きることを事前に理解し、これらの事態に対応できる姿勢が重要です。

また、農業で移住する際には特に、移住前から少しずつ、そして、移住後も先輩農家やJA関係者などと関係を築く事が大切です。農業関係の人脈を築いておけば、先ほどのような想定外の事態が起こった時にもアドバイスをもらうことができますし、日々分からない事があった時に諸先輩方に相談することができます(独りよがりではなく、地域に少しずつでも馴染んでいくことが大切です)。

そして、もう1つ重要なのが「支援策を活用する」こと。農業を始めるためには初期投資が必要ですし、収益が思うようになければ収入より支出が上回ります

そうなると、資金繰りがうまくいかず、その結果、農業で生計を立てるという計画が破綻してしまうことも。資金繰りで破綻してしまわないよう、国や各自治体、移住予定の地域でどんな支援策があるのかを調べて、活用するといいでしょう。

三重県御浜町では、みかんでの新規就農移住を支援しています

詳しくはこちらをご覧ください

*1 東京・有楽町 ふるさと回帰支援センター、大阪 ふるさと暮らし情報センター では、都道府県・市町村別のパンフレットが閲覧できます。また、移住の相談が可能です。

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