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みかんの代表的な品種と特徴

御浜町で栽培される「味一号」とは

みかんコラム

ビタミンCやミネラル類、ペクチンやぺスぺリジンなど、豊富な栄養を含むみかん。冬に食べる果物、というイメージがある方が多いと思いますが、実は、年間を通して様々なみかんが収穫されています。

本記事では、みかんにはどのような種類があるのか、詳しくご紹介していきます。

みかんの品種にはどんなものがある?

みかんには、甘いみかんから酸味のあるみかんまで、さまざまな種類があります。2023年7月25日現在、農林水産省で品種登録されているみかんの種類は107種類。※1

いかに多くの種類のみかんがあるのかが分かるでしょう。

107種類のみかんをすべてここで紹介するのは難しいので、ここでは、その中から

・温州みかん

・せとか

・はるか

・いよかん

・清見

・八朔

・じゃばら

・ゆら早生

・日向夏

・紅まどんな

・三ヶ日みかん

の11種について、紹介していきます。

温州みかん

温州みかんは、一般的に「みかん」と呼ばれる日本の代表的な果物。

原産地は鹿児島で、収穫される時期によって4種類に分けられます。

① 極早生:9月〜10月

② 早生:10月下旬〜12月下旬

③ 中生(なかて):11月下旬〜3月

④ 晩生(おくて):12月中旬〜3月

栽培される地域の名前がブランド名となり店頭に並ぶため、実際の品種名を目にすることは少ないですが、和歌山県・静岡県・愛媛県が温州みかんの産地として有名です。

せとか

せとかは、清見とアンコール、マーコットをかけ合わせて生み出された品種。育成地の長崎県口之津町から望む早崎瀬戸と栽培地の瀬戸内地方、そして、その香りから「せとか」という名が付けられました。

みずみずしい香りとジューシーで濃厚な味わい、とろりととろける食感が特徴で、外皮が薄いのが特徴。2月から4月上旬に市場に出回ります。

はるか

はるかは、日向夏の実生(みしょう)から生まれた品種。かんきつ類は苗木や接ぎ木で育てるのが一般的で、種から育てる実生では特徴が全く異なるものが生まれます。実生では、親より劣っているものが出来るケースが多く、はるかは実生で生まれた稀なケース、といえるでしょう。

はるかはごつごつした外皮でへたの部分に不知火のようなでっぱりがあり、へたの反対側に丸いくぼみの凹環があるのが特徴。その果肉は、酸味が少なくさわやかな甘みがあります。

いよかん

いよかんは、山口県阿武郡東分村(現在の萩市)で発見された品種。当時は、「穴門(あなと)みかん」と呼ばれていましたが、愛媛県での生産が増えたことにより、「伊予柑(いよかん)」と呼ばれるようになりました。

厚い果皮としっかりした内皮が特徴で、内皮もむいて食べるのが一般的。糖度と酸度がバランスよく、ジューシーな味わいです。

清見

清見(きよみ)は、トロビタオレンジと宮内早生温州を交配することで生まれた日本初のタンゴール品種。愛媛県と和歌山県で全体の8割にあたる量を生産しています。

酸味と甘みがほどよく調和し、たっぷりとした果汁が特徴のみかんです。

八朔

八朔は、江戸時代に広島県因島田熊町の「恵日山浄土寺」の境内で発見された品種。明治時代の恵日山浄土寺の住職、小江恵徳が言った「八朔には食べられる」という言葉に基づいて名づけられたとされていますが、八朔の食べ頃は1月中旬から4月下旬。

八朔の時期、新暦の8月30日とはずれているのが現実です。厚い外皮はナイフでむき、内皮をむいて食べるのがおすすめ。

酸味と甘みのほか、苦みが少しあるので、シロップ漬けやマーマレードにすると美味しく食べられます。

じゃばら

じゃばらは、日本唯一の飛び地で「秘境」ともよばれる和歌山県北山村にたった一本だけ自生していた品種です。ダイダイや柚子、カボスの仲間で、独特の香りと「邪気を払う」ほどの酸っぱさが特徴。

種がほとんどなく、果汁が豊富で糖度も高く、まろやかな味わいのじゃばらは、近年、アトピー性皮膚炎や花粉症など、I型アレルギーの抑制効果があるとして注目されています。

ゆら早生

ゆら早生は、和歌山県日高郡由良町で宮川早生の突然変異(枝変わり)で発見された超極早生みかんの品種。超極早生品種の中でも糖度が非常に高く、品質が良い人気の品種です。

9月下旬から11月上旬が収穫時期。糖度11度以上のゆら早生は、「ゆらっ子」というブランドで出荷されます。

日向夏

日向夏は、江戸時代に宮崎市で発見された柚子の突然変異種。酸味が強いものの、甘みのあるアルベド(果肉を包む白いふわふわした部分)と一緒に食べることでちょうどいい味わいとなります。

紅まどんな

紅まどんなは、南香と天草をかけ合わせてできた品種で、愛媛県の完全オリジナルのもの。愛媛県を舞台とした夏目漱石の小説「坊っちゃん」の登場人物のマドンナにちなみ、その名がつけられました。

媛まどんなや瀬戸のまどんなとしても売られていて、ジューシーで甘く、なめらかなことからゼリーのようなみかん、といわれています。

三ヶ日みかん

三ヶ日みかんは、静岡県浜松市三ヶ日町で栽培されている品種。甘さと酸味がバランス良く、コクのある味わいが特徴のみかんです。

骨代謝の働きを助けるβ‐クリプトキサンチンを含むことから、みかんで初めて「機能性表示食品」として認定されています。

三重県御浜町で栽培されているみかんの種類は?

三重県御浜町は、「年中みかんのとれるまち」とキャッチコピーに掲げている、知る人ぞ知るみかんの産地です。温暖な気候を活かして、多種多様なみかんが栽培されています。約40種類ほどのみかんの品目があり、新しい品種もどんどん増えてきています。御浜町で採れる、個性豊かな品種をみていきましょう。

・みえ紀南1号

・温州みかん

・高糖系温州

・早香

・ポンカン

・はるみ

・不知火

・三宝柑

・甘夏

・セミノール

・カラマンダリン

・サマーフレッシュ

など、数多くの種類のみかんが栽培されています。

ここでは、上で紹介したものを除いた品種について、それぞれの特徴を紹介していきます。

みえ紀南1号(味一号)

みえ紀南1号は、「味一号(JA出荷の場合)」とも呼ばれる超極早生温州みかんです。崎久保早生とサマーフレッシュの交配で誕生した品種で、本州で一番早い時期に出荷される、御浜町の看板商品です。

甘さとすっきりした酸味のバランスが良く、果皮が青く果肉が鮮やかなオレンジ色をしているのが特徴。収穫時期は、9月の上旬から約2週間という短い期間で、この味一号の中でも一定の糖度と酸度の基準を満たすものは「みえの一番星」として出荷されます。

温州みかん

御浜町では「崎久保早生」を中心とする極早生みかんの栽培が盛んです。長年秋の味覚のトップをきって送り出されてきた、御浜町を代表するみかんです。

極早生みかん

超極早生、極早生を経て、10月末頃〜早生みかんが始まります。

早生みかん

晩生(おくて)みかんは、いわゆる「コタツで食べるみかん」。糖度が高く濃厚な味わいで、12月から1月にかけて収穫されます。

晩生みかん

早香

早香は、今村温州とポンカンの交配によって生まれた品種。

橙色の薄い果皮に油胞が突出しているのが特徴です。甘みが強く、食感の良い品種で、収穫後に果皮の着色が進みます。

ポンカン

ポンカンは、インド原産の柑橘で、明治29年に鹿児島に伝わった品種。

ポコポコしたむきやすい外皮と独特の芳醇な甘い香り、柔らかく甘みが強い果肉が特徴です。

はるみ

はるみは、清見タンゴールとポンカンの交配種。大粒の果肉はぷつぷつとした食感で、甘みがたっぷり。

また、種が少なく内皮が薄いため、皮をむいて丸ごと食べることができます。2月〜3月にかけて店頭に並ぶものの、生産が難しいため市場に出回るのが少ないのもはるみの特徴です。

不知火

不知火は、ポンカンと清見オレンジをかけ合わせた品種。種が少なく糖度が高く人気の品種です。
また、不知火の中でも糖度13度以上・酸度1度以下のもの、かつJAから出荷されるものが「デコポン」と呼ばれています。

御浜町では2月〜4月頭にかけて収穫されています。

三宝柑

三宝柑(さんぽうかん)は、ダイダイと柚子の自然交配によって生まれた品種。江戸時代、和歌山城内もくしは和歌山藩士野中為之助の邸宅にあった原木が原産とされ、三方(さんぽう)という台に載せて殿様に献上していたことから「三宝柑」と名づけられたとされています。

デコポン(不知火)のようにごつごつしたふくらみがあり、果皮が厚く種が多いのが特徴。果肉は鮮やかな濃い黄色をしていて、渋みや苦みもなく、まろやかな甘みがあります。

甘夏

甘夏は、大分県で栽培されている夏ミカンの中で減酸が早いことから発見された品種。発見されたみかん園の名前に由来して「川野夏橙」といわれていましたが、夏ミカンより甘いことから「甘夏」と呼ばれています。

プチプチと歯ごたえのある爽やかな果肉が特徴で、御浜町では3月〜6月にかけて、長い期間楽しめます。

セミノール

セミノールは、鮮やかなオレンジ色の光沢感のあるツルっとした表面が特徴のみかんです。ダンカングレープフルーツとダンシータンゼリンを交配させた品種で、とてもみずみずしくジューシーな味わいを楽しめます。

主に和歌山・大分・三重で栽培されていて、3月〜4月に収穫後、倉庫などで少し寝かせて酸味を和らげ、4月〜6月に店頭に並びます。

カラマンダリン

カラマンダリンは、温州みかんとキングマンダリンの交配で生まれた品種。大きさも見た目も温州みかんとほぼ同じですが、甘みが濃厚なのが特徴。

収穫時期は3月〜4月にかけてですが、貯蔵して酸を抜き、4月〜5月に出荷されます。

サマーフレッシュ

サマーフレッシュは夏みかんと八朔の交配で生まれた品種。見た目は淡い黄色で、大きいのが特徴です。

御浜町を中心に栽培されている品種で、御浜町と紀宝町で全国の約99%が生産されています。

番外編 マイヤーレモン

マイヤーレモンは、オレンジとレモンの自然交雑で生まれた品種。レモンに比べて表皮がツルっとしていて、比較的丸みを帯びた形のものが多いのが特徴です。

熟すにつれて、果皮が黄緑色から黄色、そして、濃い黄色へと変化します。レモンより酸味が少なく、味わいがまろやかで、香りもやや甘いマイヤーレモンは、三重や和歌山、静岡で生産されていますが、その量は少量で、希少なもの。

10月頃から収穫が始まりますが、この頃のレモンは、果皮がまだ青いためグリーンレモンとも呼ばれます。この状態は酸味が強く、主にレモン汁などに利用されます。12月になると黄色く色づいたマイヤーレモンが、1月はオレンジに色づいた完熟のマイヤーレモンが収穫されます。完熟したマイヤーレモンはそのままでも食べられるほどで、スイーツなどにも利用されています。

本州で一番早い時期に出荷される奇跡のみかん

御浜町では先述した通り、さまざまな種類のみかんが栽培されていますが、この御浜町で盛んなのが、本州で一番早く出荷が始まる「超極早生温州みかん」の栽培です。この超極早生温州みかんは、9月中旬に出荷が始まる青いみかんで、御浜町では「青切りみかん」として親しまれています。

御浜町で超極早生温州みかんの栽培がされるようになったのは、礫質で水はけの良い土壌と、温暖な気候という条件が揃っていたため。雨量の多い地域であることから酸抜けが早く、かつ太陽の恵により甘みが乗り、9月中旬という、本州で最も早い時期に出荷されるみかんを生み出したのです。超極早生温州みかんの中でも糖度が10度以上、酸度1.1度以下という厳しい基準を満たしたものは、後に続く御浜のみかんを引っ張ってほしいという思いを込めて「みえの一番星」と名づけられています。この「みえの一番星」はさらに「あまっこ」「味」「柑」という3つのランクに分けられます。

詳しくはこちらから

まとめ

ひとまとめで「みかん」と表現されることが多い温州みかんをはじめ、「みかん」には、様々な種類があります。

見た目はもちろん、味も香りも、それぞれのみかんで異なるもの。

本記事でご紹介した特徴を参考に、好みのみかんを見つけてみてください。

御浜町でのみかんづくりについて、詳しくはこちらをご覧ください↓

※1 (品種登録データ検索) http://www.hinshu2.maff.go.jp/vips/cmm/apCMM110.aspx?MOSS=1

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