本格イタリアン・エスプレッソを楽しめる、人が集まるカフェ
「ナポリを見ずして死ぬことなかれ」という諺がある。三重県御浜町の七里御浜から見える海、熊野灘も、「負けないくらい絶景!」とは少し言い過ぎ…?
「いえいえ、負けていません!」と胸を張るのは、三重県の熊野地域に魅せられた一人の女性。
世界中の色々な場所を見てきた彼女。イタリア・ナポリの海も美しいが、「御浜町の海も本当に美しい!」と自信満々で言い切る。
彼女がオープンしたのは、本格的なイタリアン・エスプレッソのカフェ。
「日本で「エスプレッソ」はあまり馴染みがないかもしがれませんが、「カプチーノ」と聞けば抵抗がないのではないでしょうか。苦みのある濃厚なエスプレッソを、ミルクで割ることで飲みやすくなります。」
イタリアには「Bar(バール)」と呼ばれる朝〜晩まで営業するカフェ兼居酒屋のようなお店が、どんな小さな田舎にもあり、イタリア人の生活に根ざしている。そして、そこは「人の集まるコミュニティ」のような存在なのだという。
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そんなバール文化、” 人の集まる場所 ” をここ御浜町にも作りたいと「MIHAMA」をオープンしたのは、イタリア大使館公認ソムリエの福村真弓さん。お隣、和歌山県新宮市出身の彼女は、東京から2019年にUターンし、現在は新宮に住みながら東京でソムリエとしても働いているのだが、「もっとこの地域の魅力をもっと伝えたい」と、地域密着型のゲストハウスやお店を、三重県・東紀州で複数手がけている。
そんなパワフルなオーナーと、三重県出身の店長、二人が口を揃えてオススメするのは、MIHAMAオリジナルの「カプチーノ」。
MIHAMAのカプチーノは、地元産・柑橘の皮を削って仕上げられていて、飲んだ時に鼻を抜ける芳醇な香りが特徴。
苦味の効いたエスプレッソと牛乳の甘み、そこに柑橘の香りが加わると、「飲むオランジェットみたい」だという。
“年中みかんのとれるまち” ということで、「御浜の柑橘の魅力を知ってもらいたい」というオーナーのこだわりが詰まった一杯だ。季節ごとに柑橘の種類を変えていくそうで、変わっていく香りも楽しみ。
「エスプレッソ」は、ナポリの豆を使用していて、味わい深い苦味が特徴。ナポリ流の飲み方は、砂糖をスプーン1−2杯を入れてよく混ぜ、クイッと飲み干すのだが、意外や意外、思ったほど苦くない。むしろ、口いっぱいにカフェの濃厚なアロマの香りが広がり、苦味よりも豊かな味わいが口に残る。そして、カップ底に「とごった砂糖」を、スプーンですくって食べるのが、イタリア流なのだとか。
*「とごる」とは「たまる、沈澱する」という意味の熊野の方言
もう一つの看板メニューは「ささのうち農園 濃い みかんジュース」。店長が働いている農園でもあり、Farm to Tableを体現しているメニューでもある。
「自分が農園で関わったみかんのことを、お客様に説明できるのが、嬉しいんです」
自然相手にできあがる「みかん」は、毎年異なり、町内にいくつもある畑も、気温・日当たり・土壌条件など、それぞれ特徴がある。「あの畑のみかんと、この畑のみかんをこの量」と言った形で、組み合わせ・配合を変えることで、毎年味のぶれない「みかんジュース」を作る、並々ならぬこだわりを持って生み出される『ささのうち農園』のジュース。飲めばその理由がわかる、納得の美味しさだ。
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週替わりでドルチェ(=デザート)を提供するMIHAMA。
アフォガード、ティラミス、パンナコッタ、セミフレットなど、イタリアのメニューにこだわる。
主に週末に登場するドルチェは、ドリンクとセットで頼むと100円引きと、とってもお得!
イタリアの暮らし・食文化に造詣の深い福村さんは、良きイタリア文化をこの地に紹介したいという。
「目の前が青い海、青い空の広がる御浜町の七里御浜。”のんびり外でエスプレッソを飲む” 文化が、ここから広まったらいいな」
「ヨーロッパでは、飲食店の外にテラス席があるのが普通で、みんな店内より外で食べたがります。イタリアのバールのように、MIHAMAでも『行けば誰かに会える』、誰かと誰かが繋がったり、そんな場所になっていけたら、嬉しいです」と語る。
店長も「MIHAMAで待ち合わせね!と言われたい。いつか、そんな場所になりたいです」と熱を込める。
MIHAMAでは「pay it forward」という取り組みも行っている。
地元〜近隣の高校生が無料でコーヒーを飲める仕組みだ。
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企業・個人が先にコーヒー代を払い、カップにその名前を書く事でちょっとした宣伝をする。そのカップでコーヒーを無料でもらう高校生は、代わりに “3人に良いこと” をしてもらう。
「こういう活動が、この辺で広がってくれたら嬉しいな」
早速、イベントを企画して「人が集まる場所」を体現し出している福村さん。
「新しく友達ができたり、ビジネスが広がったり、何かのきっかけになったら嬉しい。」
今後は飲食店とのコラボも企画したいとか。不定期で開催される「食とモノ市場」でも、新しいことにチャレンジしたいそうだ。
人がここで会う。繋がる。MIHAMAはカフェであり、「人が集まる場所」。
食べる
若き2代目店主が営む、郷土愛に溢れるアットホームなうどん店。
ゆったりくつろげる空間で、スペシャルティコーヒーとみかんジュースをお楽しみください
地元の新鮮な刺身や天然うなぎを味わえる、隠れ家的寿司処。